設計や工事監理に支払う費用
- 建築主は、設計や工事監理を依頼する建築士事務所に対して、契約に基づき業務報酬を支払うことになります。
その業務報酬については、建築士の独占業務である設計や工事監理の業務報酬が不当に引き上げられたり、逆に過当競争によって過度に引き下げられたりすることによって、業務が適正に行われなくなるような問題が生じないよう、国土交通大臣が告示で報酬基準を定めています。
これは、標準的な業務内容と業務量などを明示し、報酬の算定方法を示したもので、報酬を決定するときの目安にすることができます。この基準は、最近の実態調査に基づいて、抜本的な見直しが行われ、平成21年1月に改正されました。
積み上げ方式により計算されるため、標準的な業務以外の追加業務がある場合など依頼する業務内容によって費用も変わりますが、契約時にはどのような業務報酬の算定をしているのかを確認しておけば安心です。
戸建住宅の建築設計監理報酬額の基準労務時間
○国土交通省告示第十五号
建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第二十五条の規定に基づき、建築士事務所の開設者がそ
の業務に関して請求することのできる報酬の基準を次のように定める。
平成二十一年一月七日
国土交通大臣 金子 一義
別表第 13 戸建住宅(詳細設計及び構造計算を必要とするもの)(別添二第十三号(第1類)関係) | |||||
---|---|---|---|---|---|
(単位 人・時間) | |||||
床面積の合計 | 100m2 | 150m2 | 200m2 | 300m2 | |
設計 | 総合 | 710 | 760 | 800 | 860 |
構造 | 140 | 180 | 220 | 290 | |
設備 | 110 | 130 | 140 | 150 | |
工事監理等 | 総合 | 180 | 240 | 290 | 390 |
構造 | 30 | 48 | 66 | 100 | |
設備 | 38 | 49 | 59 | 77 |
別表第 14 戸建住宅(詳細設計を必要とするもの)(別添二第十四号(第1類)関係) | |||||
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(単位 人・時間) | |||||
床面積の合計 | 100m2 | 150m2 | 200m2 | 300m2 | |
設計 | 総合 | 350 | 490 | 610 | 850 |
構造 | 81 | 97 | 110 | 130 | |
設備 | 110 | 130 | 140 | 150 | |
工事監理等 | 総合 | 180 | 240 | 290 | 390 |
構造 | 30 | 48 | 66 | 100 | |
設備 | 38 | 49 | 59 | 77 |
別表第 15 その他の戸建住宅(別添二第十五号(第1類)関係) | ||||
---|---|---|---|---|
(単位 人・時間) | ||||
床面積の合計 | 100m2 | 150m2 | 200m2 | 300m2 |
設計 | 270 | 360 | 430 | 570 |
工事監理等 | 120 | 170 | 210 | 290 |
建築基準法の壁量計算と直下率?
1,建物の規模に応じて、耐力壁が必要
横からかかる、地震時に発生する水平力(地震力) 及び 台風時に発生する水平力(風圧力)に建物が耐えられるように、建物の床面積(地震力) 及び 外壁の見付面積の大きさ(風圧力)に応じて耐力壁が必要です。
地震力と風圧力の、それぞれに必要な壁量の多い方(安全側)の壁量が必要です。
a)地震力に必要な壁量
壁量計算(地震時)地震力による壁係数(cm/㎡)は、建物の階数・建物の重さによって定められています。各階の床面積に壁係数を乗じて得た長さだけ、建物のX方向・Y方向のそれぞれの方向に壁が必要です。
b)風圧力に必要な壁量
壁量計算(台風時)風圧力による壁係数(cm/㎡)は、風の強い地域と一般地域の2種類があります。各階のX方向・Y方向のそれぞれの外壁見付け面積に壁係数を乗じて得た長さだけ、各方向ごとに壁が必要です。
上記で計算した必要壁量は、壁の強さを1(壁倍率1.0)としての必要な壁の量です。壁に筋かいや合板を貼ることで、壁の強さを増すことができ、その強さを建築基準法で0.5倍率から最高5.0倍率までの間で定められています。耐震性を確保するために、耐力壁(筋かいや合板貼り等)を設け、地震力や風圧力から求められた必要な壁量以上を確保するようにします。 また必要壁量以上に耐力壁を設けることで耐震性のアップにつながります。
上記は雑誌からのコピペです。しかし、建築の確認申請時に下記のことを設計事務所に問いてください。
耐力壁の配置が良いですか?平面的にバランスがいいですか?、1階と2階の同じ位置に耐力壁が配置されてますか?直下率はいくつですかと。
直下率とは
1階と2階がつながっている柱や耐力壁の割合のことで、構造的なバランスを評価する重要な指標として使われています。
熊本地震で倒壊した住宅の壁量は耐震等級2の必要量を満たしていましたが、柱の直下率が47.5%(適正直下率60%以上)、耐力壁が17.8%(適正直下率50%以上)で、特に耐力壁の直下率が小さいプランとなっていました。
強い家づくりのためには「直下率と壁量のバランス」が大事
地震は必ず、やってきます。ご用心、ご用心!!